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郷土の偉人、学べない? 吉田松陰、米内光政…一部教員クレーム(産経新聞)
- 2010.01.21 Thursday
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- 19:50
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- by hi6fadngat
郷土の偉人について学ぶ取り組みが各地で行われるなか、山口県教育委員会が幕末の志士、吉田松陰を公立小中学校の授業などで取り上げるよう推奨したのに対し、教職員組合などでつくる団体から「価値観の押しつけ」などとクレームがついた。軍人や武士に抵抗感を持つ教師もおり、「教師自身が日本の歴史人物に暗く、誇るべき偉人を知らない」との指摘も。
[フォト]09年流行語「歴女」も関係ない!?
◆没後150年も…
山口県教委が吉田松陰を推奨したのは、平成21年度から「ふるさとの先人に学ぶ教育の推進事業」としてだ。新しい学習指導要領で伝統文化尊重や国や郷土を愛する態度の育成が盛り込まれたほか、昨年は松陰没後150年にあたり、県教委は「タイムリーな年と考え、松陰の生き方について学校の活動の中で紹介することをお願いした」という。校長の講話の中に盛り込むことや授業、地域調査など学校の実情に応じて学習を進めるものだ。
これに対し、山口県教職員組合などでつくる「子どもと教育をまもる山口県民会議」は昨年、特定の価値観を強制する道徳教育を進めないよう県教委に申し入れた。同会は「幕府要人の暗殺計画を立てた人を道徳教育の対象とするのは間違っている。(松陰について)優れた先進的な見方もあるが、個人崇拝は公教育としてはふさわしくない」のだという。県教委は「価値観を強制する道徳教育を推進することではない」と回答したが困惑気味だ。
◆「軍人」に異論
盛岡市では次代を担う子供たちに郷土の偉人らの生き方を学び、「夢」や「志」をはぐくむ教育に取り組んでいる。市小学校長会が発行した小学4年以上対象の副読本「盛岡の先人たち」で、新渡戸稲造、金田一京助、米内光政(よないみつまさ)、原敬、石川啄木の5人を取り上げたところ、教職員組合の一部教員から、海軍大将や首相を歴任した米内光政について「軍人は子供たちの生きる目標か」などと異論が。米内は先の大戦終結に努力した人物で関係者は「平和主義者なのだが」と首をひねる。
国立教育政策研究所の平成18年度の学力調査(特定課題調査)で、小学校の学習指導要領で歴史学習で例示された42人の人物の業績を聞いた問題で、明治維新の人物を中心に理解が薄かった。学校の歴史の授業が人物ドラマに欠け面白くないことが要因との指摘がある。
◆生き方こそ重要
本紙に「元気のでる歴史人物講座」を連載している日本政策研究センター主任研究員、岡田幹彦氏は「教師に国を愛する心が薄く、自国の歴史人物に暗い。教師自身が胸のうちに誇るべき尊敬すべき偉人をほとんど持っていない。血も涙も通わないような歴史の断片的知識をいくら与えても歴史は少しも面白くない」と話す。
また福岡県立太宰府(だざいふ)高校の占部(うらべ)賢志教諭は「軍人がだめというなら武士もだめになる。それでは鎌倉期から近世まで教えられないことになり荒唐無稽(むけい)な話」とあきれる。
偉人について「私は、私心を抑え、公のために悪戦苦闘の人生を送った人を偉人とみる。業績でなく、生き方が重要で有名無名を問わない。今の子供たちには、あの人のように生きたいという『あやかる人』がいない」と指摘。戦前、青年教師が書いて公募で教科書に採用された『稲むらの火』を例に「理屈をいくら言ってもそっぽを向かれるが、簡潔で無駄のないすぐれた文章は心に入ってくる。優れた言葉で語れるか、教師の技量を磨くことが重要だ」と話す。
【関連記事】
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◆没後150年も…
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これに対し、山口県教職員組合などでつくる「子どもと教育をまもる山口県民会議」は昨年、特定の価値観を強制する道徳教育を進めないよう県教委に申し入れた。同会は「幕府要人の暗殺計画を立てた人を道徳教育の対象とするのは間違っている。(松陰について)優れた先進的な見方もあるが、個人崇拝は公教育としてはふさわしくない」のだという。県教委は「価値観を強制する道徳教育を推進することではない」と回答したが困惑気味だ。
◆「軍人」に異論
盛岡市では次代を担う子供たちに郷土の偉人らの生き方を学び、「夢」や「志」をはぐくむ教育に取り組んでいる。市小学校長会が発行した小学4年以上対象の副読本「盛岡の先人たち」で、新渡戸稲造、金田一京助、米内光政(よないみつまさ)、原敬、石川啄木の5人を取り上げたところ、教職員組合の一部教員から、海軍大将や首相を歴任した米内光政について「軍人は子供たちの生きる目標か」などと異論が。米内は先の大戦終結に努力した人物で関係者は「平和主義者なのだが」と首をひねる。
国立教育政策研究所の平成18年度の学力調査(特定課題調査)で、小学校の学習指導要領で歴史学習で例示された42人の人物の業績を聞いた問題で、明治維新の人物を中心に理解が薄かった。学校の歴史の授業が人物ドラマに欠け面白くないことが要因との指摘がある。
◆生き方こそ重要
本紙に「元気のでる歴史人物講座」を連載している日本政策研究センター主任研究員、岡田幹彦氏は「教師に国を愛する心が薄く、自国の歴史人物に暗い。教師自身が胸のうちに誇るべき尊敬すべき偉人をほとんど持っていない。血も涙も通わないような歴史の断片的知識をいくら与えても歴史は少しも面白くない」と話す。
また福岡県立太宰府(だざいふ)高校の占部(うらべ)賢志教諭は「軍人がだめというなら武士もだめになる。それでは鎌倉期から近世まで教えられないことになり荒唐無稽(むけい)な話」とあきれる。
偉人について「私は、私心を抑え、公のために悪戦苦闘の人生を送った人を偉人とみる。業績でなく、生き方が重要で有名無名を問わない。今の子供たちには、あの人のように生きたいという『あやかる人』がいない」と指摘。戦前、青年教師が書いて公募で教科書に採用された『稲むらの火』を例に「理屈をいくら言ってもそっぽを向かれるが、簡潔で無駄のないすぐれた文章は心に入ってくる。優れた言葉で語れるか、教師の技量を磨くことが重要だ」と話す。
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